Entries from 2021-01-01 to 1 year

「そうですね。

「そうですね。入院などの已むを得ない事情があり、それを証明できれば別ですが」 「そうですか」 答えてから、少し視線を彷徨わせて考えた。 裁判沙汰は避けたい。 それは俺自身がというより、楽の存在があるから。 彼女も、直接的には言わないが、裁判は避…

林の中のイザベラには木々の隙間からク

林の中のイザベラには木々の隙間からクービルの姿が見える。クロノ原で双頭刃を振るって王女軍兵士を散々蹴散らしたクービルの姿をイザベラは眼に焼き付けていた。一方のクービルはイザベラの事は全く知らなかったが、林の中に尋常ならざる者を感知していた…

お茶を飲んでもう頃合いかと思ったのか

お茶を飲んでもう頃合いかと思ったのか、おもむろにハンベエはイザベラに話し掛けた。うん、と頷くようにイザベラはハンベエの眼を見た「大分前に、ハナハナ山でドン・バターの一味を潰滅させた策略。あれ、ボルマンスクの奴等にも使えないかな?「・・・・・・。…

ドルバスの殺害に向かっている二人はセイリュウのみならず

ドルバスの殺害に向かっている二人はセイリュウのみならず、一味全員が敵に降った事も知らずにいた。そして又、今となってはドルバスを殺害する事は逆に身の破滅に直結するであろう事も露知らず、受けた命令を忠実に果たそうと急いでいた。ドルバスが捕われ…

」と薄ら笑いを浮かべて言った

」と薄ら笑いを浮かべて言った。妖艶でぞくりとするほどの艶っぽさであるが、この戦場では何やら化生(けしょう)の類いを連想させて不気味でもあった。袖摺り合うも多生の縁とか。どれ、このアタシが引導渡してあげるとするか。テンカンの発作でも起こしは…

「人違いじゃと言っても通りそうにござらぬようじゃな

「人違いじゃと言っても通りそうにござらぬようじゃな。」薄ら笑いを浮かべたテッフネールは腰の剣をシュルリと柔らかに抜くと、だらりと両手を垂らして斜め下段に構えた。「行くぞ。」ブンっと唸りを上げて、ドルバスの薙刀が横一閃に払われた。岩をも切り…

ロキが少し驚いて言った。

ロキが少し驚いて言った。「仕事上、仕方のない時も有るのさ。」「ふーん。・・・そんな事より、ハンベエが来たんだから、今度こそ何しに来たか。教えてよお。ハンベエ、ボーンさん、大分前にこの部屋にやって来たんだけど、何しに来たのか、オイラに教えて…

「王女は何処に隠れたんだろうな。

「王女は何処に隠れたんだろうな。」「さあな、王宮中これだけ捜して見つからないんだから、とっくの昔に城の外に抜け出しているかもよ。」「それにしても、王女は何でまた国王陛下に毒を盛ったりしたのかな。」「知るかい、そんな事。」「しかし、あんな美…

「なるほど、最初のよりは本当っぽいな

「なるほど、最初のよりは本当っぽいな。しかし、そんな事しなくてもタゴロロームまで行くのに困りはしないだろう。」「そうね。では、ハナハナ党退治にハンベエの手を借りるため・・・というのは?」「ハナハナ党?」「この先のハナハナ山に巣くう山賊達の…